【東大阪市にお住まいの皆さまへ】
近鉄 八戸ノ里駅・徒歩3分の 八戸ノ里キリスト教会 です

大きな水がめ

私が見ていると、1つの壺がありました。
何が入っているのかしら?


中を覗くと、ふちいっぱいの水。
水に、覗きこんだ私の顔が映っている。

こんな大きな水がめ誰が置いていったのかしら。
あたりを見回しても 誰もいない。


暑いわ……ここは井戸のそばで、私は汲むものを持っていないから水を汲むことができない。

この水がめの水、飲みたいなぁ……。
早く、持ち主が帰ってくればいいのに。


じーっと座っていると、しばらくして真っ黒い服を着た女性が歩いてきました。

きれいな人…私はその人をじーっと見ました。
きれいだけど表情が硬いわ。
悩み事のありそうな顔してる……。


その人が来て、水がめに手をかけました。
「すいませんが、私に少し飲み水を分けてくださいませんか?」

女の人は表情を変えず、面倒くさそうに「飲みたいだけ飲みな」と言いました。

私はお礼を言って飲みました。

主よ……どうしてこの人はこんなに暗いんでしょう。
服も真っ黒だし、何より表情が硬いんです。


≪わが娘よ、このように聞いてごらん≫


主の言われた通りに、その女性に聞いてみました。

「えっ!!あなた何でそんな事知ってるの?あなたは一体何者なの?」

「私はただの通りすがりよ。誰でもないわ。ただ、あなたの表情がとても暗いから気になっただけ」


女の人は私に質問し、私は祈って答えました。
まるでサマリヤの女が井戸に水を汲みに来た聖書箇所のようだけど、会話は全く違うわ。


≪娘よ≫


イエスさまが来られました。

「あぁ、主よ」
私はひざまづいて主を迎えました。


≪あなたは この女性に何を言ったのか?≫


「はい、主よ、祈りながら これこれの事を言いました。」


≪ふむ、そうか≫


イエスさまは腰をおろされて、私はそばにある石に腰かけました。


≪婦人よ、あなたの水がめは重たかろう。
あなたの心は、この水がめ以上に重く、あなたに のしかかり、この黒い服より、はるかに暗い。


あなたはこの娘にわたしの存在を聞かされながらもやっぱり、この世がいいと思っている。
罪の暗やみにいる方が安心で 今まで慣れてきた生き方だからだ。


そんな暗い顔をして、重荷をひきづりながら、世に生きていて何が楽しいのか?≫


この水がめは私の人生そのものです。
私の人生は苦労が多く人から見れば日影の道でした。
今さら光の道があると知らされても こんな者がイエスという方を信じて天国へ行けるでしょうか?
暗やみこそ、私にふさわしい生き方のように思えます。」


≪婦人よ、それならば2つの道を見せよう。1つは天国への道。
もう1つは暗やみの道、行きつく先は地獄だ。

天国とは似ても似つかない暗やみは悪霊の住まい。その者たちがわめき騒ぐ所。
この2つの道を同時に歩くことはできず この2つの道が重なることはない≫


女性が見ていると2つの道が見え、道の分かれる分岐点には立て札が立っていました。

――この分かれ道が人生を決める。
いつまでも、道を間違うならば再び戻れず その人生は、その行く末は闇に至る。
その闇は濃く、果てしない絶望に至る――


――女の人はそれを見、考え込みました。
「今、光の道を選ぶことがそんなに重要なことなの?
私は世が好きだし、今までの生き方を捨てられない。
イエスという方が そんなに私の人生に必要だとは今は思わない。
後でいいじゃない。後で、年をとってから、その時に考えるわ。」

女性は水がめを持ち上げて帰ろうとしました。


≪それならば、1つの事をわきまえていなさい。この世の終わりは突然やってくる。
昨日と同じように未来がずっと、間違いなく続くと誰が確かなこととして言えようか?


今は終わりの時代であり、与えられたチャンスをその時に掴まなければ、
チャンスが再びその人に訪れると どうして分かるのか。


今は終わりの時代に入っている。
間違いなく、突如として世の終わりを迎え、その前にすべての望みは絶たれる。

誰でも与えられたチャンスを踏みつけない者は幸いである。
あなたの前に光の道を選ぶチャンスがさし出されたら それまでどんな暗い人生を送ってきたとしても、
光の道を選ぶなら、その人生は報われる。

終わりが良ければすべては報われ、その人生は意味がある。


しかし、わたしの声、忠告をきく者はまれである。
なぜなら、人は世を愛しているからだ。
光があるうちに光を求め、光を知りなさい。光の方にやってきなさい。≫


女性はもう何も言わず帰っていきました。
暑い道を、重い水がめを持って、真っ黒な服を着て……。


「主よ、彼女にチャンスはまだありますよね?
私、今日からとりなして祈りますから、どうか再びチャンスを与えてください」


≪それならば こう祈ってやりなさい。

誰も地獄へおちないようにと日々願いとりなす娘よ。≫


――どうか、彼女を救ってください。
苦しみの人生から、悲しみの生活から、抜け出て、光の道を選びますように。


今度チャンスが与えられたら どうかその時には 暗やみではなく光を選びとりますように、
光である主を信じてどうか幸せになりますようにと。


幻と啓示〜天国と地獄〜
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