【東大阪市にお住まいの皆さまへ】
近鉄 八戸ノ里駅・徒歩3分の 八戸ノ里キリスト教会 です

2本の道

揺れている。……ここは小舟の上なの
目の前に座っているのは だれ?


「やぁ、ヨロシク。ぼくはキミと会うのは初対面だけど、今日は一緒にイエスさまの所へ行こうよ。」


「あなたは だれ?どうして私たち二人で小舟に乗ってるの?
それに……ここは敵の陣地よ。引き返して!ここにいたらいけないわ!」


「もう遅いぜ……」不気味なものが小舟に手をかけて這い上がってきました。


なんて気持ち悪いんでしょう。
気持ち悪い、気持ち悪い、本当に気持ち悪いわ!イエスさま!聖霊さま!助けてください!

小舟は回り始めました。
「さぁ、われらの国へ導いていくぞ」


行かないわ!暗闇なんか大っ嫌いよ。
イエスの血!イエスの血!主よ、助けてください!


1本の糸が上から降りてきました。
……助けだわ!私は糸をつかみ、腰の短剣を出してサタンに投げつけました。

「ギャオ〜〜〜ッ」なんて汚いサタンかしら。
剣は光り、サタンは大声を出し苦しんでいます。


「来て!早く!!」一緒に乗っていた男の手をつかんだ瞬間、グーッと上に引き上げられました。

なんて早いのかしら。
あの不気味な池から出て、ぐんぐん上にあがっていきます。


ある所に着きました。草原です。
あぁ……よかったわ!本当によかったわ。主よ、感謝いたします。


「きみは一体だれ?
なんで ぼくたち あそこから抜け出られたの?きみのつかんだ あの糸はなんだい?」


「あなたは、……何も知らないの?あなたこそ、一体どういう人なの?なぜ 私と共にいたのかしら?」

――私たちには 分からないことばかり。


1本の道を2人で歩きます。
そのうち道は 2本に分かれました。


「どっちへ行く?ぼくは右がいいな。見てごらん、明るい海の方へ続いているよ。
この丘の景色はサイコ―だね。天気もいいし、本当に気持ちいいよ。ぼくと一緒に右の道を歩こうよ。」


「待って、祈るわ。……あなたは 祈らないの?あなたはクリスチャンなの?」


「いや、ぼくは 実はまだクリスチャンじゃない。だから祈り方が分からないんだ。
でもイエスさまのこと知りたいとは思ってるよ。
祈ると、どっちへ行ったらいいか分かるのかい?好きな方を選んでも いいんじゃないか?

安全そうだし、第一、きれいじゃないか。


左の道を見てごらんよ。行く手に雲がかかっている。楽しいことが何もなさそうな、退屈な道さ。


右の道には 見てごらん。大きな街があるじゃないか。
楽しみが いろいろありそうな道だよ。ぼくは こっちを選びたいよ。」


「―待って。私は祈りたいわ。イエスさまからききたいのよ。」

その時、まるで1枚ページをめくったように 目の前の景色が一変しました。


どこにサタンが隠れているか、すべて見えました。
そして どちらへ行ったらイエスさまに出会えるのかも、見えたのです。


≪わが子よ、左の道だよ。左へ進みなさい。彼には こう伝えよ。
右の道は誘惑の道、多くの者たちが好む道。世の楽しみにあふれた町。
確かにそこは この世の楽しみが色々とある。

しかし終わりは、真っ暗やみだ。
あなたが そちらへ行って わたしに 出会うことはできない。さぁ伝えよ。≫


私は伝えました。口をとがらして 聞いています。
「見てごらんよ。左の道はつまらなさそうに見えるよ。

ただの石コロばかりが ゴロゴロ転がっている道さ。見てごらんよ。道すじに何の楽しみもないじゃないか。


ひたすら歩くだけだぜ。いやになるなぁ〜

そんな道を歩かないと イエスに出会えないのかい?
第一、本当かい?きみは何故、すぐに祈りの答えが分かるのさ。あやしいな、きみの考えじゃないのか?」


―その人は 私を疑い決めかねています。


1人の老人が歩いてきました。

「なぜ そんな所に つっ立っているのかね。
邪魔だよ、道をあけてくれ。年寄りは迷わず右へ曲がって行きました。楽しげな音楽が聞こえてきます。


街から誰かが出迎えました。
1人はおじいさんの手をとり、もう1人は背を押して街へ入っていきました。


「あぁ〜楽しそうだなぁ。ぼくもやっぱり右へ行きたいよ。
でも君は不思議な人だね。誰が見たって右を選ぶに決まっている道をなぜ選ばないんだい。“祈ったから”かい?」


―主よ、この人に何て言ったらいいですか?


≪わが子よ。自分で選ばせよ。
あなたが わたしのことばを伝えたなら、選択するのは この者自身の 責任においてである≫


「私は左に行くわ。でもね、私の考えじゃないのよ。
本当に右は誘惑が多いわ。惑わす者たちが満ちているのよ。
右を選んだら世を選ぶことになって イエスさまとは無縁の世界なのよ。」


私は言いました。「あなたも左を選んだら、きっとイエスさまに出会えるわよ。
この世の何ものよりも すばらしい方に。
全財産をなげうって たった1粒の価値ある真珠を買った商人のたとえが聖書にあるわ。


自分のすべてをかけても もっと価値あるイエスさまに出会えることほど すばらしい事ってないわ」


私は歩き出しました。

男はまだ まよっています。


≪娘よ、いいんだよ。あの者が決めることだ≫


私を導いてくださる方が来られて 私たちは2人で歩きました。
あらっ むこうの道を歩く あの男の人が見える。一緒に歩いているのは 髪の長い 真っ赤な唇の女だわ。

2人は楽しそうに笑いながら 歩いていきます。女は男の腕につかまりました。


―ざまぁみなさい。女はフフンと笑って私を見ました。
男は楽しそうに歩いていきます。


あぁ…イエスさま。あの人は間違った道を行きました。
あれじゃあ イエスさまにお会いできないわ。
どうしたらいいのかしら……


≪―娘よ、いつも選択は その人本人にかかっているんだ。
わたしは その人に機会を何度も与えるが 選ぶのは自分なんだよ。≫


主よ。あの人が またチャンスが与えられることがありますか?
どうか あの人を助けてあげてください。


≪人よ、あなたは何者なのか
あなたも ただの人間にすぎず、選択権を持っている。
とりなしはしてもよいが、人の人生の選択の責任をあなたが負ってはならない。
あなたは正しく物事を見、また正しく人間を見なければならないよ。≫


私は荒野に美しい小さな花が1輪咲いているのを見つけました。

主よ、こんなに渇ききった地に1輪だけ、小さく愛らしい花が咲いています。
私はそこで祈り始めました。私は本当に何という者なのかしら。


一体私は なぜ人の責任を負いたがるのかしら。愚かだわ。

私って本当に愚か者です。
主よ、私をゆるしてください。私を助けてください。


≪娘よ、砂漠の涙だ。
悔い改めのある所に花は咲くものだよ。
砂漠でも花は咲く、人生という旅路においては悔い改めの多い所に より美しい花が開くのだ。≫


……あぁ主よ、私をゆるしてください。
私はひざまづいて祈ります。私は自分の罪を告白し、祈り始めました。


―砂漠の花は香りを放ちはじめました。
なんて いい香り。こんな香り初めてよ。

その方は美しいその花を一輪とって私の髪にさしてくださいました。

美しい香りが辺りに ただよいます。


≪さぁ娘よ、先へ行こう。
いいかい、こちらの道を歩く者は非常に少ない。 この退屈な景色に耐えかねて もと来た道に引き返す者たちもいる始末だ≫


聖霊さま、私はこの道を歩いてイエスさまに会いたいです。

でも とりなしは続けます。
とても とても 彼らのことを思うと やりきれない思いでいっぱいなんです。

ふと目を見上げると、目の前に イエスさまがおられました。


主よ!!大喜びで でも ひざまづきました。
お会いしたかったです。
本当に 本当に 主よ、お会いしたかったです。私の主よ、心の底から お慕いしています。


≪さぁ 娘よ。ここから見渡せる景色を ごらん≫


あぁ、ここから見える景色は あの丘から見えた景色と全く違うわ。
雲がかかって その先が見渡せなかった所だわ。

あぁ、遠く向こう、はるかに きらめく何かが見える。
とても やさしく やわらかな光だわ…


うわぁ……言葉を失いました。なんていう輝き
あぁ、あそこへ行きたいわ。
ステキ、ステキ、あそこへ入りたいわ。


≪人は目先を見て、物事を決めるが大事なことは、目に見えないんだよ。≫


幻と啓示〜天国と地獄〜
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