【東大阪市にお住まいの皆さまへ】
近鉄 八戸ノ里駅・徒歩3分の 八戸ノ里キリスト教会 です

大きな蛇

「あれ?!  何この靴下、穴があいちゃったわ……。よく歩いたものね。ご苦労さま。」


穴のあいた靴下は、私のお気に入りの靴下だったの。
捨てるのも惜しいな。


私がタンスの整理をしていると、窓から誰かが見ていた。 ――人間じゃないわ。

何かが入って来て、すばやく食べ物をくわえ、頭にものせ いろいろ抱えて窓から出ていった。


窓の外の木をつたわって逃げて行った。


再び、それらは今度は群れでやって来て、木に登り、部屋をのぞき、
私の目を盗んでそおっと部屋に忍び込み 部屋にあるあらゆるものを盗もうとした。


「ガラッ」、急に閉じられた窓――。

その音でやっと私は気づいて、部屋に入った黒い侵入者達の姿を見た。

手にいろいろなものを持ち、盗み去ろうとしたのだ。


天使が窓を閉めなかったら――

音もせずに出入りする敵に、私は気づかなかった。


姿を見られたサルに似た真っ黒い生き物は、合わさって大きな蛇の姿になった。

コブラのような形、長いキバを持っている……。


「私の所から良いものを盗んで行ったサタンよ。再び来て、また持ち去ろうとしたのね。許さないわ!」

主よ、助けて下さい!聖霊さま、助けて下さい!


蛇はとぐろを巻き、かま首をもたげ六畳の部屋いっぱいの大きさになり天井に頭がついている。


「びびるもんですか!」

聖霊さま、お助けを!お助けを!


「お前は、祈りの娘とか呼ばれてるものだろう。知ってるか。
我らサタンが、どれほどお前達人間から良いものを盗み取っていくかを。 物だけではないぞ。


健康も人生も生きがいも、何もかも、金も家族も、その命さえもだ。
我らの姿はお前ら人間には見えまい。だから、我らにはやりやすい。


人は失敗すれば人のせいにし、状況のせいにし、運命のせいにする。
しかし誰が気づこうか?我らが人間達の良きものを盗み取って行くのだと。
ワ―ッハッハッ
邪魔な娘よ。お前などこうしてくれる!」


その蛇は思いきり、毒を吐きました。
その時光輝く天使が、私を覆ってくださいました。部屋には、剣を持った天使達が来ています。


「闇のわざを打ち壊そうとする者達は、我らの敵。
しかし霊の世界の事など何も知らぬ者達、見ようとしない者達にとっては我らの存在が、ばれることはないのだ」


「イェス様の血!イェス様の血!イェス様の御名によって命ずる!出て行け!」


祈っていると窓が開き 蛇はヌゥ〜〜ッと外へ出ました。


「フンッ!こんな家入ろうと思えば、いつでも入れるものを邪魔しやがって!
さあ、これからどこへ行こうか。どこへ盗みに入ろうか。


無防備な家なら、いくらでもある。
我らの手下は街に満ちてある。人間の目に触れないだけさ。


働き人達よ、眠ればよい。
――信じたら救われる、それだけでいい――そう思って眠るなら、お前達は我らの餌食になる。


邪魔な教会よ、霊のことなど教えおって!邪魔な牧師よ、死ねばよい。


働き人達よ、幼いうちにつぶれて、使いものにならなくなればよい。
祈りの娘よ、お前こそ死ねばよい。


木の上でさんざん悪態をついて、逃げ去って行きました。


部屋の中で私は祈りました。


「あぁ主よ、赦して下さい。怠けて成長が進まない私を、
サタンを追い出す力のない私を、努力が足りず忍耐のない私を、本当に本当に、お赦し下さい。」


ひざまずいて長いこと祈っていました。


「働き人達をお守り下さい。とりわけ、牧師を守って下さい。この小さき者をも守って下さい。
祈りの足りない私を、どうかどうか赦して下さい。」


部屋は夕方の明るさの中、とても静かでした。風に吹かれて、一枚の葉が入ってきました。


(わが子よ。――わたしはあなたを愛している。
わたしによって救われた者一人一人も、わたしは同様に愛している。


力がないことをうれいているのか?まだ始まったばかりだ。これから力をつけていけば良い。
祈りの働きは目立たないので、人に褒められるものではない。


誰の為に祈ったか、何時間祈ったか、そんなことをいちいち宣伝する必要もない。
隠れた所で見ておられるわたしの父が、祈る者一人一人に報いることだ。


あなたは、これまで通りわたしに従って励みなさい。よく仕えるしもべになりなさい。)


――はい、分かりました。主よ。ありがとうございます。感謝致します。


部屋の中を見回して思いました。あぁ、盗まれなくて良かったわ。

今までの人生で、沢山いいものをサタンに盗まれて来たのよ。

もう絶対渡したくないわ。


イェス様への愛だけは、絶対、絶対渡さないわ。


幻と啓示〜天国と地獄〜
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