丸いリング
濃い霧に包まれた広い空間が見えた。
霧が少しずつ消えていき空間の中にあるものがはっきりと見え始めた。
周囲はまだ薄暗かったがとても大きくて丸いリングがあって、
そのリングの中には肌の色が違う多くの人々がリングから落ちるくらいにたくさんあがっていた。
またリングの周りではその人たちが出られないように、
体の大きい乱れた髪をしている地獄の使者のような姿をした恐ろしい人々が
それぞれ手に剣やムチのようなものを持って囲んでいた。
それでも人々はリングの外に出ようと必死であった。
リングの周囲にある使者たちは その人たちに向かって剣やムチを当てました。
その度、人々の体からは血が飛び苦しくて悲鳴をあげていました。
リングの中でも、人々が大騒ぎをしながら悲鳴をあげていたのでよく見ると、
大きな柱のような体をした頭がいくつもある蛇らしい気持ち悪い獣が人々を手当たり次第に噛み付いていた。
その中でも人々は中にも外にも行かないように互いに押し合っていました。
リングの外でも、別の人たちが言葉では表現できない姿で手や足を鎖に縛られて、
大きくて太い木をどこかにしんどそうに運んでいた。
倒れるとどこからかすぐムチがとんで来て彼らを打った。
それは見るに耐えられない光景であった。
誰が見ても、そこが地獄であるのは言うまでもない。
それを見た後に全身から力が抜けて、指一本動かすことができなかった。