【東大阪市にお住まいの皆さまへ】
近鉄 八戸ノ里駅・徒歩3分の 八戸ノ里キリスト教会 です

信仰の決断の結果

「また失敗したのか!あのような者など、もう生かしておいてはならぬものを!
今回もとり逃すとは~‼」


(さぁ、ゆこう)

見ると、2人の天使がいて、静かに私の両腕を支えた。



暗闇の地、空も暗い。


ただサタンのさわぐ声が、奇声がひびいてる。

邪悪な霊よ。


あぁ、もう少しで地の深みへ連れて行かれそうだった――



わが主よ、あなたを叫び求めた時、あなたは、この小さい者の叫びをきいて、救い出してくださいました。


イエス様の差し出された手に、私の手をのせた。


主は、私の手をひいて道を歩き始めた。



真っすぐな道―、味気ない道―。

分かれ道にきた。


「主よ、どうされますか?」


1人の男が、私たちの後ろから走って来た。

マラソンランナーのような姿の彼は、分かれ道でそのまま、かけ足をした。


「どちらへ行こうか?どっちにゴールがあるのか?」

彼は、私たちを見た。


「あなたたちは、どこへ行こうとしてるの?ゴールはどっちか知ってるかい?」

イエスさまは、1つの道を指さした。


すると、男は帽子をとって「ありがとう!」と言って、そのまま走っていった。




(さぁ、娘よ、行こう)


それ程の道も行かないうちに、さっきの男が戻ってきた。


「オイ!橋が壊れて、川を渡れないじゃないか。

川は溢れるほど流れているから、泳ぐことも出来ない。一体、どうしてくれるんだ!」


私たちは川まで歩いていきました。

大きな川、暗い色の水、荒れた流れは、人を飲み込んでしまいそうなほど――。


「主よ、ここを渡るのですか?」私がお聞きすると



(違うよ、これは、まやかしだ。先へ進めないようにサタンが見せているもの。

この道を通る必要はない。)



空を見ると、あれ?ヘリコプターだわ⁉ 私たちを連れて行ってくれるのね⁉


川は激しく、渦を巻くほど、強く強く流れています。

こんな川、自力で渡れるはずないわ―私たちは無事に、向こう側へ移されました。


男はまた帽子をとって、お礼を言い、走っていきました。



私たちが森へさしかかると、再び男が、全速力で戻ってきました。


彼を追いかけて来たのは、大きな黒い獣です。

熊のようではなく、もっときばの長い、太い、獅子のようなもの。


「助けてくれ~~‼」
彼は必死で走って来て、イエスさまの後ろに隠れました。



(この男に何の用か?)イエスさまが尋ねると、


――黒い獣は、黒い霧に包まれています――


「渡せ!おまえたちには、何の関係もない男だろう。

われらの獲物として定められてある男だ。ここに置いていき、おまえたちは先へ進むがよい。」


男を見ると――彼は目を見開いて、涙を浮かべています。



イエスさまは振り返り、
(助かりたいか?)と聞きました。



「もちろん‼もちろんです‼私を置いて行かないでください。

どうか、どうか、私をあわれんでください!」



(わが子よ)


主は、私に語られました。


それで、私は主が語られたことを彼に語り、
「…このようにしていくなら、主はあなたの主になってくださり、あなたは、もはや 1人ではなく、主が助け。

道を共に進んでくださり、安全に守ってくださいます。


――どうされますか?


主に従う時、あなたは今までのように自分のやり方、スピード、意思のままには進めなくなります。


でも、それが一番、あなたが敵から守られ、困難からも守れ、平安に道を進める 唯一の方法です。」




彼が考えていると、黒い獣は待ちきれず、吠えたけり始めました。

すると、私たちのまわりをオオカミが取り囲み、うなりながら近づいてきます!


「助けてくれ!助けてくれ!何でもするから!早く!早く!この状況から、助け出してくれ‼」


イエスさまは、黙って彼を見つめていましたが、獣に向き直り、


(置いていかない。今は、彼を連れて行く。)と言われ、前に進んでいかれました。


私も男もイエスさまの後ろに従いました。




黒い霧はたちこめ、イエスさまはおくすることなく、獣に向かって真っすぐに進んで行かれます。


「ちくしょ~~っ!!!」獣は、地をかき裂き。

大きな声で吠え、逃げ去っていきました。


あんなにたくさんいたオオカミもスーーッと、まるで黒い霧のように姿を消しました。


――残された、私たち。



男は、力が全身から抜けて、くずれるように座り込みました。

「こんな事って、あるのか?あれは一体何だったんだ。
あんな獣、見たこともない!なぜ、あなたたちはこわがらないのか⁉」


私は、この方が、神の子イエスさまであることを告げました。



イエスさまは彼に語り、彼は初めて、福音にふれたのです。


「キリスト教は知っていたよ。

しかし、オレとは何の関係もないって思っていた。」


彼はイエスさまを、まじまじと見ました。

そして、ひざまずいて、イエスさまに深々と礼をしました。


「オレを助けてくださって、ありがとうございます。

でなければ、とっくにあいつらに喰われていました。


サタンの存在があるとは、今まで本気にもしていませんでした。
神の存在も――。


あなたは、オレの命の恩人です。」


彼は信じるという言葉は、使いませんでした。




道を行くと、誘惑が待ちかまえていました。


「ゴールはこの先」という看板が立ててあり、道は3つに分かれていました。


ゴールと書かれている方向からは、人々のざわめきと拍手、歓声、音楽が聞こえて きます。

でも道の先は、見通せません。


ここに来ると、彼はすぐに反応しました。

「あちらの道だ!そうに違いない!さぁ、ゴールに向かって突き進もう!」



でも、イエスさまを見ると、悲しそうな顔をなさいました。


「イエスさま、違うんですね。

この道はゴールではないんでしょう?」私がお聞きすると、

イエス様は彼に、こう語りかけました。



(あなたが行こうとしている道、それは勝利の道ではないが、あなたの心はもう 決まっている。


わが子よ、聞きなさい、あなたは勝利者を夢見て、ここまで走って来た。

あなたが願うのは、この世での勝利者としての成功と栄光、冠だ。


わが子よ、わたしがわが命を捨ててまで、あなたを愛した福音をきいても、あなたの心には触れもしなかったのか?)



彼は何も言えず、ただ「命を助けてくれて、ありがとう」と言って、深々とおじぎをし、行ってしまいました。


自分の思う道を、まようことなく、振り返ることもなくて、私は涙が出てきました。


イエスさまは悲しげに、ただとても悲しげに、彼の後ろ姿を見ています。

彼の姿が見えなくなってしまうまで、私たちはずっと、立ちつくしていました。




イエスさまは私の手を握り(さぁ、この道を行こう)と他の道を示され、歩き出されました。


私たちの行く道には、いつも選択があり、道は分かれ、どこかへとつながっていきます。


ただ、そのたびに信仰の決断が出来たら、きっと私たちは永遠に輝く朽ちない冠をいただけるでしょう。



行く道は、どこかへつながっている――。

しかし、いつもその先が見通せなくて、結果は後で、1人1人が刈り取るのです。


イエスさまと一緒に歩く道は、いつも助けがあり、守りがあり、よい結果を生み出します。


いのちと平安が目の前に置かれているのなら、その道を選ぶのが正しい歩みです。



【申命記30:19】
私は、きょう、あなたがたに対して天と地とを証人に立てる。私は、いのちと死、祝福とのろいをあなたの前に置く。あなたはいのちを選びなさい。




警告のラッパ
一覧へ戻る